気軽に楽しむ手作り化粧品と自然派生活

メールマガジン:キッチン・コスメティックス

動植物オイル

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■     〜手作り化粧品と家庭薬 ■■
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                ◆ vol. 00085   ◆ date 2004.04.02
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  夕べは軽く桜並木を散歩しましたが、夜桜がとてもきれいでした。
  昼間の桜とはまた違い、あの幻想的な感じがたまりませんね。
  皆さんはお花見されましたか。


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  ◆ 今日のトピック 
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  オイル -読者の方からのご意見と補足-
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  不飽和脂肪酸について、このメルマガの読者でもあり、ご自身で手作り化
  粧品販売サイトを運営されている方からメールをいただきました。

  この方は、薬剤師/臨床衛生検査技師の資格もお持ちになっており、なお
  かつ16年間スキンケア業界で実績のある方で、常に専門的な視点からも
  手作り化粧品を捉えておいでです。
  とても貴重なご意見だと思いますので、許可を得た上で引用させていただ
  くことにします。

  ご自身のサイト上でも、近々油脂についてのコラムを掲載されるそうです
  ので、是非そちらも参考にしていただきたいと思います。
  http://www.duty-co.jp/


  引用開始----------------------------------------------------------

   不飽和物が肌にも良いというように、読み取れましたから、間違って理
   解していたらごめんなさい。

   飽和、不飽和というところですが(私の認識の範疇ですが)、不飽和物
  (脂肪酸に限らず、炭化水素や高級アルコール、エステルなど)は体にと
   って、ご存じのように生理活性が高く、とても有効です。

   ところが、肌においてはその有用性以上に、その酸化物によるリスクの
   高さから、極力使わない傾向にあります。

   食するのは、空気に触れる時間も少ないですし、紫外線に当たることも
   ありません。
   一方、肌へは薄く広く塗布することから、酸素に暴露されますし、紫外
   線にも暴露されることになります。
   不飽和物、特に多価不飽和物は過酸化物になりやすいものです。
   そうなると、それ自体が刺激物にもなりますし、それが不安定な状態の
   フリーラジカル物質になり、他の成分(もともと持っている皮脂も含め
   て)をも反応や分解をさせ刺激物になるとも考えられます。

   したがって、化粧品に配合される油脂は精製されて、化粧品グレードに
   なります。

   たとえば、お菓子に入っている脱酸素剤は袋に入っていて、始めて効果
   が現れますが、袋に入らないお菓子の上に乗っかっていても、邪魔には
   なっても、なんの意味も持たなくなります。

   また、オリーブ油のエキストラバージンオイルは食用に、精製オリーブ
   油は化粧品にというのも、こういうところからだと思います。

   他に、ステアリン酸も化粧品に配合されていますが、実際にはC16や不飽
   和のものも混ざってきます。不飽和を示すヨウ素価も限度が設けられて
   います。

   更に、Dutyで推奨しているスクアランは飽和、健康食品で売られている
   のはスクアレンという不飽和のものです。
   ソフトカプセルに入っていますので酸素には触れません

   また更に、全成分で硬化ひまし油(またはソルビタン硬化ひまし油)な
   どの硬化を目にされませんか?この硬化とは、水素添加して不飽和を飽
   和にしたものを指します。

   日焼け止めに紫外線吸収剤が肌に刺激になることは、良く書かれていま
   すが、この紫外線吸収効果は不飽和の二重結合やベンゼン環(亀の甲)
   にあります。紫外線に当たることにより、エネルギーを吸収して、ラジ
   カルになるので刺激になったりするわけです。

   私は、こういう理由からDutyではしきりに飽和のものが良いという前提
   で進めています。
   グレープシードを扱っていますが、これはマッサージやクレンジングの
   みで、すぐに皮膚表面の余分のオイルを落とすことを条件にしています。
   そうすることで、植物オイルの良い面だけを享受しようという考えです。

   私の節ということで、正しいとは限りません。
   スキンケアについては、いろんな意見があります。

  引用終了----------------------------------------------------------


  とても専門的で説得力のあるかつ参考にしたいご意見です。
  同時に私自身、改めて自分自身の認識の甘さを感じました。
  そこで、改めて以下の内容を再確認させていただきます。

  確かに不飽和脂肪酸を多く含むオイルについては酸化の問題があり、その
  使い方にはそれなりに注意が必要かと思います。
  例えば、不飽和脂肪酸を多く含むオイルは昼間はできるだけ避けて夜に使
  用するようにするですとか、ホホバオイルやマカデミアナッツオイルなど
  比較的安定性の高いオイルやビタミンEなど抗酸化作用のあるものとブレ
  ンドすることである程度は回避できるものというのが私の理解でしたが、
  保存に関する視点では注意を促すよう心掛けていた一方、肌に使用する際
  のリスクについてはあまり触れてきませんでした。
  また、実際どの程度の条件で酸化が始まるのか・・・というような具体的
  なデータがあるわけでもなく、その辺りのことは感覚的な判断によるもの
  で、ほとんどグレーゾーンだと言えます。

  ただ、これが私とのスタンスの違いかと思うのですが、リスクが高い=
  使用してはならないという意味ではない・・・というのが私のスタンスで
  して、注意して使用する限り、有用なのではないかと今でも考えています。
  それというのも、私はこれまで自分自身でローズヒップオイルや月見草オ
  イルやポリジオイルを使用してきて(ほとんど単独では使用しませんが)
  よかった!と、実感しているからです。

  dutyさんでも、不飽和脂肪酸を単純に否定しているわけではなく、効果対
  リスクのバランスを考えたうえで、より安全を優先されているという視点
  での上記のようなご意見かと思います。


  食べ物の世界でも、自然食(例えばマクロビオティック)と現代栄養学的
  見地にはかなりの開きがあり、時として正反対のことを提唱していたりし
  ますが、その食事法を実践して効果を感じている方々がいるのも事実です。
  また、もちろん反対も然り。
  みんなそれぞれの視点では正しいのではないかと思います。

  ポイントは、さまざまな異なる意見がある中で、何が自分自身にとって信
  じられることで、何が正しく、何をどのように取捨選択していくかという
  ことを単なる受け身の立場ではなく、私たち一人一人が自分自身で考えて
  最終的に決める・・・ということかと思います。

  私にも何が間違っていて何が正しいのかということは分かりません。
  ただ、自分の信じることが、私にとっては正しいということです。
  でも、それが誰にとっても正しいとは限りません。
  なので、私はその意見を他の人に押し付けようとは思いません。

  このような私のようなスタンスは、もしかしたら時として無責任と映るか
  もしれません。
  もしそのようにお感じになる方がおいででだとしたら、ごめんなさい!と
  謝るしかありませんが、それが私のスタンスだという前提で今後もおつき
  あいいただけますよう心からお願い申し上げます。

  とにもかくにも、読者の皆さまには、今後も私の知る限りのことをお伝え
  していく所存ですが、いつでも私が正しいとは限りませんし、また、私の
  知識などたかがしれています。
  なので、何かご不明な点やご指摘などございましたら、どうぞご遠慮なく
  お聞かせいただけますと幸いです。


  今週予定していたメルマガの内容は次号に延期させていただきます。




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